2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

お越し頂きました皆様へ

この度は、柳川瑞季の個展みたいな演奏会にお越し頂き本当にありがとうございました。ふと思い立って計画した演奏会が、このようにたくさんの方々によって支えられ、暖かい励ましを受け、今とても幸せな気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。これか…

またある夜に(2019)

立原道造の詩ではこれまで数曲合唱曲を書いてきた。今回とりあげる「またある夜に」、「のちのおもひに」も数年前に合唱曲として書いたのだが、まだ演奏はしておらず、今回チェロ、サクソフォーンとともに演奏する作品としてリメイクした。 「またある夜に」…

のちのおもひに(2019)

「夢は そのさきには もうゆかない なにもかも 忘れ果てようとおもひ 忘れつくしたことさへ 忘れてしまつたときには」 詩集を読んでいた時、この文章が心に刺さった。何かあるごとに、自分に言い聞かせる文章の一つとなっているほどだ。 「のちのおもひに」…

あなたはだんだんきれいになる(2019)

『智恵子抄』からの三曲も、前に混声四部合唱として書いた曲をリメイクしたものだ。合唱版も演奏していないため、今回が完全に初演となる。 もちろん『智恵子抄』は聞いたことがあったが、内容までは恥ずかしながら知らなかった。全編を読み、特に気になった…

あどけない話(2019)

智恵子が本当に話をしているかのように思える「あどけない話」。そのテンポ感を表現したかった。 今回はテノールとコントラバスとピアノでビート感を感じつつも、疾走感だけでは終わらせず、智恵子の溢れ出る思いも背景に感じ、作った。 それにしてもこの詩…

値ひがたき智恵子(2019)

智恵子は、『智恵子抄』の筆者であり、夫である高村幸太郎よりも早く亡くなった。 「値ひがたき智恵子」は亡くなったあとの詩だ。それなのになぜデュエットにしたのか。 この作品はテノールを高村幸太郎、ソプラノは智恵子を表現している。したがって、2人は…

Dessin #3(2016)

「Dessin」はこれまでに同タイトルで2作品書いており、本作は3作目である。タイトルの意味はそのまま「デッサン(下絵、図)」であり、前曲までは有名画家のデッサンを見て感じたことを音にしていたが、今作は実際に自分が作曲する際のデッサン(作曲行程)…

Dessin #2(2015)

デッサンから受けるインスピレーションは人それぞれであり、楽譜に閉じ込めることはもったいない時があります。今回は奏者3人でデッサンを共有し、それぞれが感じ取るエネルギーを各曲で表現しようと試みました。曲は3曲あり、ルオー(2作)とジャコメッティ…

Dessin #1(2014)

ふと見かけた友人のデッサン3枚。自画像のはずなのに、目の向きや表情が違うだけで別人に見えた。同じ骨格なのにどこか違う…どこか違うけれど骨格は同じ…この作品は、その3枚からインスピレーションを受けた。(初演時プログラムより)【初演情報】New Chamb…

Dessin #4(2018)

とある展覧会で見かけたフェルナン・レジェの作品は、私に「縦方向への無限な伸び」「自由な横線」「それらを楽しむ遊び心と自由さ」の3つの感想を与えてくれた。ミステリアスなのにどこか均衡が保たれていて、それでいて自由で楽しげであった。Dessinシリ…

Dessin #5(2018)

コレクターだった祖父の所持品の中にたくさんの美術書を見つけた。パラパラと見ていると、ほんの少しだけ載っていたEdward Burraの作品に目を奪われた。それらは独特な色使いと形状をしているものも多くあったが、その中に力強さと芯の強さを感じた。彼につ…

Dessin #6(2019)

個展を企画した時点でDessin #6を作曲しようと考えていた。しかし、ただただ思いだけが膨らみ、なかなか音を置くことが出来なかった。 そんなときに美術館のミュージアムショップにて購入した美術書に載っていた、アンリ・ルソーの「フットボールをする人々…